料金の渡し方にも注意が必要です


料金の渡し方にも注意が必要ですブログ:2014年06月03日


「お母さんみたいになりたくない」
ぼくは小さい頃から、漠然とそう思っていた。

無口で、格好なんて全然気にしなくて、不器用なママ。
ママのことを、なんとなく苦手に感じていた。

家で自営業を営む父親のかわりに、
外へ働きに出ていたからかもしれない。
同じ家の中にいるのに、あまりにも関わりが少なくて、
まるで他人のようだった。

大学入学とともに、ぼくは家を出た。
実家に帰省することはほとんど無くなり、
たまに帰っても24時間中寝てるか、テレビを見るかだった。
帰りの遅いママと会話をする機会も、必然的に減っていった。

「疲れたなぁ」「最近頭が痛いの」
たまに顔を合わせると、愚痴や弱音を呟くママ。
「薬でも飲んどけば」と、
ついつい素っ気無く返事をしてしまうぼく。

こんな調子だから、
ぼく達の関係は深まることは無く、
平行線のように、交わることもない。

そんなぼくも就職活動を迎えて、
色々と将来のことを考えるようになった。

会社を選ぶ際に、
ぼくは無意識に
「出産後も働ける環境か」
ということを気にしていた。

あぁ、ぼくはやっぱりママのお子さんなんだ…
ずっとママの背中を見てきたぼくには、
そういう働き方以外思い浮かばなかったのだ。

実際に自分が育児と仕事の両立を考えると、
その負担の大きさが身にしみた。
ママは、日々そういう生活を送っていたのだ。

一昨日、久しぶりに家族で銭湯に行くことになった。
何年ぶりだろうか。
ママと久しぶりに一緒にお風呂に入った。

二人とも、手足は痩せているのに
ウエストだけぽっこりと出ている体型で、
「遺伝なんだね」と笑いあった。

久しぶりに、ママと一緒に笑った。